昨日の
苦しみの原因の続きです。
苦しんでいる「私」がそもそも存在していないとしたら、あなたが感じている「苦しみ」とはいったい何なのでしょうか。
とはいっても、「私」がいない、というのは、あなたや私の身体が本当はまぼろしで、透明人間のように何も存在していないのに、あるつもりになっているだけだ、というわけではありません。(まあ、ある意味ではそうとも言えるのですが、その話はまた別の機会に)
なくなるのは「私」という感覚だけであって、そうなったときに初めて、
それまで「私」という言葉でさまざな制限を与えてきたこの心と身体が、世界の中でもっとも私らしく生きて行けるようになる、そんな感じでしょうか。
この身体は確かにここにあるし、心の中にはいろんな思考(考え)や感情が浮かんできます。でも、そのどれもが「私」のものだという感じがしなくなってくるのです。
大きな私の中に思考や感情やこの身体が生まれてきては消えていく、そんな感覚に近い感じがします。
さあ、ここまで読んで下さったあなたは今何を考えているでしょうか。そうだとしたらあれこれ心配しなくてもいいし、なんだか楽だなと思っているでしょうか。そんなことを言われても、これを読んで、今まさに私が「なんだかよくわからないぞ」と思っているよ、と考えているかもしれませんね。
そう、今まさにあなたの心の中に浮かんでいる思考(声に出していない考え)の流れに気づいて下さい。あなたはその思考を「私の思考」だと思っていますが、本当にそうなのでしょうか?
瞑想を少しでもしたことのある方であれば、思考を見つめる、というような言い方を聞いたことがあるかもしれませんし、ここで話されていることに多少ピンとくるものがある方もいるかもしれません。
まず、あなたの心の中に浮かんでくる思考をよ~く眺めてみてほしいのです。
「思考を眺めるって、どういうことだろうか、、、」
その思考の最初の言葉(最初の声に出さない音)
「し・こ・う、、」
と心の中に流れ始めたときに、それに気づくようにして下さい。
その思考が心の中に浮かんでくる一番最初の瞬間を意識してみて下さい。すると、あなたが「自分の」思考だと思っているその考えは、あなたの意思とは関係なく、ある瞬間にどこからともなくあなたの心の中に現れてきていることがわかります。
「よくわからないなぁ」「眠たいなぁ」「腹が立つ」「悲しい」、、、
どこからともなくあなたの心の中に浮かんできた思考に気づいた次の瞬間、あなたはこれまでの習慣にしたがって自動的にその思考を「私の思考」だと思ってしまいます。
「私はよくわからない」「私は眠たい」「私は腹が立つ」「私は悲しい」、、、
これまで無意識のうちに「私の考え」「私の思考」「私の感情」だと思ってきたものを、少しだけ違う視点で見ることを意識してみて下さい。つまり「私の、、」という言葉を外して「ただ考えがある」「ただ感情がある」というふうに。
例えば、
「よくわからない感じがある」「眠たさがある」「怒りがある」「悲しさがある」
それらを自動的に「私のもの」だとしてしまう無意識の条件付けに気づいて下さい。思考や感情を自分のものだとする思い込みから解放されると、前々回の「自分に関する思い込みを手放すエクササイズ」のあとに感じたようなスペース、思考が生まれでは消えていく大きな空間を感じることができるかもしれません。
しかし、この考え方には気をつける必要がある点もあります。
苦しみの原因3~考えることで感じないようにするへ続きます
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