最近の気づきを自分自身のためにも少しまとめてみました。
人間の苦しみの根本的な原因は「自分が周囲の人や環境と分離した存在である、という勘違い」にあります。
すこし表現を変えると「すべての存在は大いなるものの一部で、それぞれが大いなるものの一つの表現なのに、大いなるものと切り離された小さな自分(エゴ)がこのばらばらな世界の中で一人で生きている、という間違った思い込み」とも言えます。
簡単に言えば、「自分=この心と身体だけ」という観念が苦しみの原因なのです。
あなたの周囲にいる人たち(大好きな人も、大嫌いな人も)はみな自分自身だし、外の世界にあるように見えるすべてのものもあなたの一部なのです。そのことを完全に思い出すと、外側の世界に影響を受ける、ということがなくなります。何しろ、外側も内側もないわけですから。
もっとも深いレベルでは外側と内側の区別はない(見かけ上のもの)だとわかると、「良い」と「悪い」といった区別もこの世界の一つのルールにしかすぎなくてリアルなものだとはかんじられなくなります。本当は「ありのまま」で大丈夫なのだ、とわかるのです。
これは私が初めて見つけたことではなくて、イエスキリストや仏陀のような過去の聖人から、現代の目覚めた人まで、真理を探究した人々が表現は違えど、みな共通に語っている永遠の真理です。
真理なのに多くの人がそのことを忘れて苦しんでしまっているのはなぜか。この問いには明確な答えはないのかもしれませんが、私が共感している一つの回答は、「それが世界というものだ」というもの。つまり、宇宙が(神が、意識が、「それ」が、、)一度ワンネスを忘れて、それを再び思い出す旅をするのがこの世界(あなたの人生)そのものなのだ、というものです。
しかしながら、自分はこの身体だけではない、と言われても、ほとんどの人は「あなたはその身体と心を持った一人の人間なのだ」というふうに思い込まされ、それをあまりにも当たり前のこととして、自分が考えたり行為したりするすべての事柄の前提として成長してきていますから、その思い込みを手放すのは簡単ではありません。
通常、人は成長していくプロセスの中で、周囲の人々の期待にそう形で自分の中のある部分はよい部分、ある部分は悪い部分という判断を無意識に行い、悪い部分は自分の中にはないことにしてしまいます。
すると、もともと分離のなかった世界の中に、「良い対悪い」「あなた対わたし」といった分離を生み出し、そこからあらゆる分離と対立が生じてくるわけです。
個人の中では、自分の一部をなかったことにするとそれにともなう感情の抑圧が生じます。すると、自分の中でないことにされてしまった怒りなどのいわゆる否定的な感情は自分の外側にあるもの認識され、理由もなく他の人から怒られている、と感じたりします。
どんな部分をどんなやり方でどの程度自分から切り離してしまっているのか、ということが、いわゆる「性格」と呼ばれるもので、それが分離した自分という感覚を生み出しているのです。
閉じ込められた否定的な感情は否定的な思考を生み出し、否定的な思考がまた否定的な感情を作り出す、、、。多くの人はこの悪循環の中にはまってしまい、そこから抜け出す道があることにすら気づいていません。
そんな方にとって解放への最初の一歩として必要なことは、感情の浄化と、思い込みに気づきそれを手放していくことになります。
真理を探究している人の中には瞑想などの技法でワンネスの体験を求めている方も多いと思います。集中的な瞑想や強力な技法を行えばワンネスを一瞥することは比較的簡単です。しかし、悟りの境地をかいま見るだけでは本当の安心を感じることはできません。それと同時に、感情を浄化し、否定的な思い込みを手放していく作業、つまり、通常の心理学的なワークが必要になるわけです。
一方で、通常の心理学的なワークだけで過去の心の痛みを癒そうとしている方は、それだけではどうしても先に進めない感じがするときがやってきます。そんなときは、自分の探求の中に真のスピリチュアルな視点を取り入れることが必要になってきます。
つまり、今自分はとても傷ついて苦しんでいるけれど、本当の自分、自分のもっとも深い本質は傷ついたり苦しんだりすることはないのだ、ということを意識しながら、見かけ上の傷を癒していく作業をも真剣に行っていくわけです。
瞑想などの方法によってワンネスを少しずつでも感じることができるようになってくると、通常の心理学的な意味での癒しも早く進むことが多いのです。
通常の心理学的視点(両親から受けた心の傷、否定的な感情の抑圧、否定的な思い込みに気づく、前世からのカルマ、、、)と、真のスピリチュアルな視点(すべての分離は幻想で、苦しんだり傷ついたり輪廻転生したりする個人はそもそも存在しない。「それ」のみがリアル。)の両方の次元を大切にすることが、この素晴らしく神秘的な世界の中を自由に流れるように生きていくために必要なポイントになるでしょう。
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