最近、これまでこのブログやメールマガジンで書いてきた文章を読みやすい形で本家サイトのほうにテーマ別にまとめてみたいな、という気持ちが出てきました。その中にはまだこれから詳しく書いてみたいと思っているテーマもかなりあります。その一つが「ノイローゼ(神経症)と悟り」に関してです。
自分もずいぶん長い間苦しんできたし、セラピーの中で同じような苦しみを体験している方に出会うことが多いので、本格的な文章を書くための下書きとして、今感じていることを少しまとめてみます。
■ノイローゼがよくなるということ
現在「ノイローゼ(神経症)」という言葉は精神医学の分野ではあまり使われなくなっていて、「不安障害」という言葉が多く使われるようになっているようです。
その言葉が表している通り、ノイローゼの中心的な症状は「不安」です。はっきりとした理由のある場合もあれば、理由なく不安になることもあります。
このブログの中で何度も書いてきたように、不安を含めたすべての苦しみの原因は自分と世界の本性を勘違いしていることです。すべてが一つに繋がっているという事実を忘れてしまい、エゴが作り出した思い込みを現実だと信じてしまっていることです。
すべてが一つに繋がっているということがわかると、自分がいて、自分の外側に世界が広がっている、という感覚が終わります。すべてが自分である、とも言えるし、自分はいない、とも言えます。自分を不安にさせるような自分以外の世界(いやな人、こまった出来事)というものはエゴが作り出したもので、現実には存在していない、ということがわかります。
それでも何かが自分を不安にさせている感じがするとしたら、それが自分の内側の何なのか、をしっかり見ていくことで、それが自分の本性の一部であるということに気づくことができます。それがただそこにあることを許せるようになります。そこから影響を受けることがなくなってきます。
■見方を変えるだけ
ノイローゼの人は自分を見ることがとても得意です。自分のやったことを振り返って、あれでよかったのか、こうすればよかったのではないか、とあれこれ分析します。
悟りにいたる道でも内面を見ることはとても大切です。でも、ノイローゼの人はその見方が少し違うのです。
内側を見るときに、その内容だけを見るのではなくて、それを見ている自分を意識すること。内側を見るときに、その見る方向を少し変えてみること。それだけで存在の感覚が大きく変わってきます。
外交的な人は自分の内側で起こっていることにあまり意識を向けていないので、内的な探求ということにとても不慣れです。
一方、ノイローゼの人は、もともと内側に意識を向けることがとても上手です。その見方を少しだけ変える感覚を身につけられれば、自分が悟りにとても近いところにいるということがわかるはずです。
■自分が治ると周囲の人がどう思うか
ノイローゼの方からよく聞く言葉の一つに「自分が治って、自分が変わったら周囲の人がどう思うか心配だ」というものがあります。よくなることに対しても「不安」があるわけです。
本当によくなるときにはあらゆる不安がなくなりますから、そういった不安もなくなります。
その前の段階として、不安があることを不安に感じなくなります。
不安というものが、ただ心の中を流れていく一つのエネルギーにすぎない、ということがわかると、不安をただありのままに眺めていくことができるようになります。
別の視点からみると「あなたのことをあれこれ考えている(ように見える)他者というものは現実には存在していない」、少なくとも「本当にその人がそう考えているかどうか、ということはわからない」ということがわかります。「あの人がそう考えているのではないか」という自分の考えがあるだけなのです。
「自分が治って、自分が変わったら周囲の人がどう思うか心配だ」という考えが今この瞬間に心の中を流れていっているだけだ、ということが見えてくると、その考えに影響を受けることがなくなってきます。
■感情について
ノイローゼの人が苦手なのは、感情を感じるということです。ノイローゼの人が内側を見るときに実際に起こっていることは、感じることではなくて考えることです。
ノイローゼの人は、過去の未解決の不安のエネルギーを多く持ったままになっています。そのエネルギーはきちんと光をあてることで、つまりしっかり感じ取ってあげることで消えていくのですが、そのこと自体に不安や怖れを感じてしまうので、それを感じないようにするために心の中を考えで埋め尽くしておきます。そうすると、不安を直接感じないようにできるのです。
でも、そのままでは、不安のエネルギーが心配の思考を生み出し、心配の思考が不安のエネルギーを生み出し、その不安がまた心配の思考を生み出す、、、という悪循環が続いていきます。
どこかの地点で、この悪循環から抜け出す必要があります。
そのためには、「感じる」という感覚を実感として理解していく必要があります。ここでは瞑想的な実践や
ヒプノセラピー/
ブレスワークなどのセラピーが役に立ちます。
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ノイローゼが治る、ということは、真実に目覚める、悟りをひらく、ということとイコールです。
そして、これもまた何度も強調しているように、悟りをひらくということは、特別な修行をした優秀な人間だけができることではなく、すべての人がもともと持っているありのままの姿に気づくだけの、とてもシンプルなことです。
真実というのは、今は存在していなくて、未来のいつか獲得できるような何かではなく、そこから逃れようにも逃れられないあなたの本質そのもののことなのです。
今どんな苦しみがあるとしても、その苦しみの中にこそ解放への道しるべがあります。そこにたどり着いたとき、もともとすべては完全だったのだ、という真実に気がつきます。
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