ダグラス・E・ハーディングの2冊の本を読了しました。
「今ここに、死と不死を見る〜自分の不死の中心を発見する」
は大昔に買って本棚に眠っていたのもので、たぶん読んだのは2回目、
「顔があるもの顔がないもの〜自分の本質を再発見する」
は今回初めて読みました。今の私にとって、とても必要な情報が含まれている感じがして、特に「顔があるもの顔がないもの」は何度も読み返したい感じがしています。
最近
ヒロさんがハーディングのことを取り上げて下さっていますが、私自身も少し前からハーディングのことが気になっていて、ヒロさんが取り上げてくれたのをきっかけに急に興味がわいてきたような気がします。
今回ハーディングを読んで感じたことを思いつくままにいくつか書いてみます。
■感情の問題ではない
私は長い間心理学的なアプローチで探求を続けてきました。感情に気づき、光を当てていくこと、その感情をほかならぬ自分自身のものだと気づき、統合していくことで「実はその感情すら自分ではない」という気づきに開かれていきます。そしてその気づきは、思考も身体も自分ではない、という気づきにつながっていくのです。
なので、まずは感情に気づくことが大切だ、ということを何度も強調していました。(以前は、感情を解放する、という表現をよく使っていましたが、私の気づきが深まるにつれて、解放という表現よりも、ただ光を当てる、という表現がぴったりくるようになっていました。)
ところが、今思うと、感情のことをことさらに強調していたときというのは、実は私自身がまだ未解決の感情の問題を多く抱えていたのだな、ということが見えてきました。
もちろん、現実問題として、多くの方は感情にふたをすることで小さな自分という感覚にしがみついていますから、感情に意識的にアプローチしていくことが大切なことであることにはかわりないのですが、もう少し違うアプローチもあっていいのかな、という感じがしてきていたのです。
そこであらためて出会ったハーディングのアプローチは感情とはまったく関係なく、ただありのままの事実を実験を通して見ていく、というシンプルで直接的なものであることに、とても新鮮な驚きを感じました。
個人セッションの中でも、何人かの方とこの
一番簡単な「ここを指さす」という実験をやってみたのですが、人によってはこれだけでかなり深遠な気づきを体感する方もおられるようです。
自己探求というのは、自分についてあれこれ考えることではなくて、すべての主体となる自分とはなにか、ということについて思考を通さず、ただ意識することです。見えたり聞こえたりしているもの(景色や音)ではなくて、それを見ている自分、聞いている自分とは何なのか、ということです。
普通は、見えている景色や聞こえている音の方ばかりに向いている意識を、見ている主体、聞いている主体に向けて180度方向を変えてみる、ということです。
本当に「見る」ということです。
この感覚を意識的にたもっていくことが本当の意味での瞑想、本当の意味での自己探求で、これを続けていくことで必要な変化は自然に起こってきます。
■18年
とはいえ、私自身がそうであったように、多くの方にとって感情の問題、心理学的な未解決の問題というのは無視するわけにはいきません。今私がハーディングの実験を通して、以前はあまり感じられなかった深い気づきが得られるのも、自分の感情の問題としっかり向き合ってきたからこそだと思います。ハーディングも若い頃は人目を気にするというようなことに非常に苦しんだと書かれていて、とても共感する部分がありました。
また、ハーディングは初めてそれを見てから教えられるようになるまで18年かかったそうです。自分はこうして皆さんにお伝えできるようになるまでに20年以上かかっていることをどこか否定的にとらえていたような気がするのですが、そんなことを思う必要はなかったのだな、という気がしました。
■恥ずかしがる必要はない
私たちはお互いを励ますことができます。それは私たちが世界のためにできることであり、私たちは恥ずかしがる必要はありません。それはあまりに深く、あまりに根本的なことなので、それについて語ることは、あらゆる人たちの中のもっとも深いレベル、彼らの最も深層の心に訴えるものであることを確信できるでしょう。
私は、25年前に初めてそれを見たときから、まわりの世界との違和感にずっと苦しんでいたんだな、と最近あらためて気づきました。その上、両親からは「まわりの人をよく見て同じようにするように」とか「よい学校に入ってよい会社に入ることが幸せだ」といったメッセージをいつも受け取っていたので、今自分が、周囲の多くの人たちとはまったく違うこういう生き方をしているということを、どこか自分でも受け入れらない感じがずっとあったのです。
でも、そういった感覚は次のような二重の気づきによってますます小さくなってきています。
まずは、上に引用したハーディングの言葉のように、今私がやっていることは多くの人が忘れてしまっているとても大切で根源的なことなのだ、ということがますます実感されてきたということ。
そして、そもそも小さな私がそれをやっているのではなく、大きな私がこの身体と心を通してやっているだけなのだ、ただ一つの役割を引き受けているだけなのだ、ということがわかってきた、ということです。
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というわけで、ハーディングの本を通して感じたことは、またぼちぼち書いていこうと思います。これからお話会などでも、まずは道具を使わない簡単な実験を取り入れていくつもりです。
自分の本質を見るというのは、実はあまりにも簡単でシンプルなことです。本当はいつでもそれを見ているし、そこから離れようにも離れられない何かなのです。
本当の問題というのは(問題というものがあるとしたら、ですが)、その自分の本質を忘れてしまっていることだけです。
そのことを思い出したとき、あなたは自分というものが限りない神秘そのものであることを思い出します。
すべてであると同時になんでもない自分を見ます。
いつでも「ありのまま」であることがわかります。
ただ、今、ここに、います。
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なお、アマゾンでは中古品だけで値段がかなり高くなっていますが、以前、出版社のマホロバアートを主宰していた高木悠鼓さんのサイトからはまだ定価で購入できるようです。
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The Headless Way 頭がない方法-----
次の記事も参考にして下さい。
・
どうしたら悟れるか (2013/10/26)
・
(あらためて)感情を解放することの大切さについて (2012/10/05)
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■冬休みのお知らせ
2月16日〜28日はすべてのセッションをお休みします。日程は変更することもあります。詳しいスケジュールと予約状況につきましては下記をご覧下さい。
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セッション予約状況-----
■お話会&読書会の今後の予定
・癒しと目覚めのお話会
2月 9日(日)
癒しと目覚めのお話会 名古屋1dayリトリート ※2/8,10は
名古屋で個人セッションを行います。
3月 8日(土)
癒しと目覚めのお話会 大阪1dayリトリート 3月16日(日)
癒しと目覚めのお話会 東京1dayリトリート ※3/14〜19は
東京で個人セッションを行います。残席2となっています。
・新大阪での定例会
2月 7日(金)
ニューアース読書会 ※
新大阪ミニお話会は、2月は私の冬休みのため、3月は東京出張のためお休みです。4月以降の予定は後日お知らせします。
・スカイプでのグループ
3月27日(木)
ステファンボディアン「過去にも未来にもとらわれない生き方」スカイプ読書会これ以降のスケジュールにつきましては、下記のリンクをご覧下さい。
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「中野真作の癒しと目覚めのお話会」&読書会のご案内-----
最後まで読んで下さってありがとうございます。覚醒、悟り、真の癒しのプロセスについてのご相談は
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「スペースまほろば」もご覧下さい。お問い合わせは
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