最近、昔何度も読んだジェイムズ・ホリスの2冊の本を少しずつ読み返しています。
少し前に感じていた行き詰まり感が小さくなったのは、私自身の影にきちんと触れることができてきたからだなと思ってこの本を読み返してみると、以前より深く響く内容がたくさんありました。
(初めてどちらかを読んでみようと思う方は、まず『
ミドル・パッセージ 生きる意味の再発見』をお勧めします。いわゆる「中年の危機」がテーマですが、『
影の心理学 なぜ善人が悪事を為すのか』と扱っている内容は同じですし、行間が広く、文章も少なめなので読みやすいです。)
非二元の認識、悟り、本当の癒しとは、自分の一部なのにそのことを忘れて自分自身から切り離してしまった部分、いわゆる「影(シャドー)」を、もう一度自分に取り戻していく作業です。自分の中にあるのにそのことを忘れられた部分は外の世界にあるように見えてきます。いわゆる「投影」です。その投影を引き戻していく作業と言ってもいいでしょう。
その作業を真摯に進めていくと、自分以外の誰か(何か)だと思っていたものが、実はすべて自分であることを思い出していきます。自分本来の全体性を思い出していくのです。
ユングが「個性化」と呼ぶこのプロセスが、イコール悟りのプロセスなのだ、ということは30年近く前に直感していたのですが、少し前の非二元ブームの頃「プロセスも何もないんだ」「ただそれがあるだけ」というような表現を聞いて、自分の考えが少し揺らいだこともありました。
でも、今ははっきりと言えます。そういった「非二元原理主義的」な発想は、自分の痛みや不安、つまり自分の影を見ないようにするための防衛にすぎないのです。
〜でなければいけない、〜が絶対に正しい、という原理主義的な発想は、自然が本来持っている矛盾、あいまいさ、グラデーションをどこかで恐れ、わからないことをわからないままにしておくことへの不安から来ているのだな、と思います。
気づきが深まれば深まるほど、人生は一筋縄ではいかないな、と思います。内面を見るプロセスが進行すると、自分の自我、小さな私が想像もしていなかったエネルギーが自分の中にあることに気づき始めるときがあります。
それを無視し続けていると、なぜだかわからないまま生きることが苦しくなってきます。でも、勇気を持ってそのエネルギーに触れていくとき、自分が広がっていく感覚を感じ、その流れを感じていれば何があっても大丈夫なのだ、という安心感が生まれます。でもそれは、何の問題もなくなったり、いつでもハッピーでいたり、ということとは根本的に違います。
現実的にはすべての病気が治るわけではないし、人間として生きていれば怒りや悲しみを感じなくなることはないし、自分を悩ませるものがまったくなくなる、ということはないでしょう。
目覚めれば苦しみがなくなる、というのはある種の幻想で、目覚めが深まれば深まるほど、私たち皆が目をそらして見ないようにしている影の深さに気づいて、愕然とすることがあります。誰もが苦しみを抱えていることが見えてきて、悲しくなることがあります。
どんなに深く気づいても、影(シャドー)がまったくなくなるわけではありませんし、そもそもなくす必要はありません。人間というのは、その光と影の両方を含んだもっと大きなものです。影をなくしてしまうことが目標なのではなく、誰の中にも光と影の両方があっていいのだ、とわかってくるのです。
すると、人生の陰影をありのまま受け入れられるようになります。人生がより深く味わえるようになってきます。そのとき、どんな自分でも大丈夫なのだとわかり、自分の苦しみを他者に投影することがなくなってきます。本当の意味で他者をサポートできるようになるのです。
このところまた、最初にご紹介した本のサブタイトル(「生きる意味の再発見」)でも表現されているように、生きる感覚が深く変わっていく感覚があります。真に他者とつながっていく感覚、本当の愛の中で生きる感覚がやっと少しずつ浸透してきているようです。
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今読んでいるところから気になる文章をいくつかご紹介します。
『
影の心理学 なぜ善人が悪事を為すのか』ジェイムズ・ホリス著
私たち一人ひとりの内面には、この世界で体現されることを求めて私たちを突き動かす力が存在している。p301
私たちが探し求めているものは、すでに内面に存在しているのだ。それは魂の声であり、私たちを通して実現しようとし続けている。それを信じること、危険を冒すこと、そして対話を深めることが大切である。P302
私たちは自分の内面の導きを回復し、それを世界で実行すべきではないだろうか?内面にそれだけ豊かなものがあるというのに、なぜ私たちは他者に嫉妬したり羨んだりしてしまうのだろうか? P303
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今週末10月19日(土)、20日(日)の
名古屋お話会&1dayリトリートでは、私自身の体験をもとに、人生をより深く味わい、他者と真につながって、全体性の中で生きていく感覚についてお伝えします。
1日目のお話会では、基本的な項目についてのお話と簡単なエクササイズ、質疑応答などでこのエッセンスを感じ取っていただきます。
2日目の1dayリトリートでは、参加者同士の魂の対話と沈黙の共有、浄化のエクササイズやダイレクトパス的な誘導などを通して、さらに深い体感を味わっていただけることと思います。
どちらの日も、どなたでもご参加いただけます。1日だけの参加もできます。1日目(19日(土))は残席わずかとなっています。
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名古屋お話会&1dayリトリート
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名古屋お話会&1dayリトリート 10月19日(土)、20日(日)
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熊本お話会&1dayリトリート 11月9日(土)、10日(日)
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新大阪お話会 11月24日(日)13:30〜15:30
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東京お話会&1dayリトリート 12月7日(土)、8日(日)
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境港お話会 11月16日(土)13:30〜16:00
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