前々回の「自分に関する思い込みを手放すエクササイズ」の最後に私は次のように書きました。「その一つ一つの「私は~だ」という思考がなかったら、いったいあなたは誰なのでしょうか?」
この問いは、人間の苦しみの根本的な原因と関係しています。
これまで、私はいろんなところで次のようなことを書いてきました。
人生の苦しみのたった一つの原因は「ありのままの私ではだめだ」という考えである。このことは、あるレベルはその通りなのですが、これをもっとも深い部分まで探求して行くと、次のような真実に目覚めるときがやってきます。
そもそも、その「私」という考えそのものが苦しみの原因である。これではあまりにも抽象的すぎてわかりにくいでしょうか。同じことをいくつかの違う言い方で表現してみます。
・周囲の世界から分離された「私」が存在しているという考えを信じてしまっていることがすべての苦しみの原因である。
・この皮膚に包まれた私という小さな存在が自分の力だけで、このわけのわからない恐ろしい世界の中で生きていると思い込んでしまっているのがすべての苦しみの原因である。
・この無限に広がる広大な宇宙の中に、小さな私がポツンと存在しているという感覚を信じてしまっているのがすべての苦しみの原因である。
どうでしょうか。この言葉たちが表現しようとしている微妙な感覚だけでも感じとることが出来るでしょうか。
もっとシンプルに言えば
「私」は存在していないのです。(それは同時に「すべてが私である」とも言えるのですが、そのお話は次の機会に)
私が苦しみ、私が病気になり、私が死を恐れ、私が苦しさのあまり死にたいと思ったりしてしまうものなのに、そもそも、その苦しみの主体となる「私」が存在すらしていないとしたらどうでしょうか。いったい、「私」が苦しんでいると思っていたのは何だったのでしょうか。
ん?でも、この私の身体は確かにここにあるし、私がいろんなことを考え、感じているよ、と思うかもしれません。ここに思考のマジック、思い込みの力が存在しているのです。
苦しみの原因2~私の思考は誰のもの?へ続きます
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