最近「中野さんのグループに参加するのがとても楽しみだ」とか「中野さんに会うのをとても楽しみにしていた」という言葉を聞くことがよくあります。
そんな言葉を聞くと、自分が満面の笑みを浮かべているのがよくわかります。
少し前から同じようなことをおっしゃる方が少しずつ増えていたのですが、以前は、そんなことは信じられない、という思いをどこかで持っていました。
この気持ちとつながっている、今思えばとても心が痛くなるような大学時代の思い出があります。
例の25年前の最初の体験のあと、少しずつ心が開き始めていた頃、大学の心理相談室が主催した一泊二日のワークショップを初めて体験したのです。
その夜の自由時間、参加者どうしが集まって話をしていたときに、私は何を思ったのか部屋にいたみんなの輪から離れて、ロビーのような場所の椅子に一人で座っていました。
そのとき一人の女性が私のとなりにやってきたのです。彼女は私と話をしたかったのでしょう。心の奥では、私はとても嬉しかったのだと思います。
ところが、少し言葉をかわしたあと、私の口から思わず出てきた言葉は「向こうに(みんなのいるところに)行ってもいいですよ」というものでした。
その言葉の背景には、自分なんかと一緒にいるより他の人たちと一緒にいるほうが楽しいですよ、自分にはあなたと一緒にいるような価値はありませんよ、という気持ちがあったように思います。
彼女はほどなくして私のそばを離れて、部屋にいるみんなのところに戻っていきました。私はほっとしたような寂しいような複雑な気持ちでいたようです。
きっと、本当は彼女と一緒にいて、もっと話をしたかったのだと思います。
今思えば、そのときの私は、誰かの承認を、誰かの愛を絶望的に求めていながら、一方でそんな愛は自分にはふさわしくないと感じていたのです。
人と親密になってしまうと、この内面の葛藤、内面に押さえ込んでいる本当の気持ちに向き合わざるをえなくなってしまいますから、私は人に出会うことを恐れ(=自分に出会うことを恐れ)自分の中に深く引きこもっていたのです。
しかし、自分の本当の姿、もっとも深いリアリティがより深く見えてくるにつれ、意識の光は、まだ癒されていない心のもっとも深い部分に否応なく届き始めました。
最近、いまだ癒されていなかった深い心の痛み、見捨てられることへの不安、愛を求める渇望などが意識の表面に上ってきては、やがて消えていくプロセスが継続的に起こっています。
ケンウィルバーはこのプロセスを次のような言葉で美しく表現しています。
非二元のヒントを垣間見ること、一瞬でもそれを味わうことは、簡単である。しかし非二元の伝統では、それは単に始まりにすぎない。純粋な自由、あるいは純粋な直接性の無垢の状態に安らいでいると、不思議なことが起こり始める。これまで自分が同一化していた(これが自分であると見なしてきたもの(訳注))主観的な傾向性、すなわち見る者と見られるものの間のギャップを維持する、小さな自己や主体が、非二元性の自由の中で燃え尽きていく。みな、わめきながら表面に出てきて、そして死んでいく。この間は、非常に興味深い時期になり得る。「存在することのシンプルな感覚」p187
この「わめきながら」という言葉がとてもリアリティを持って感じられます。
ちょっとうるさいような、もう持て余してしまうような勢いで、いろんなプロセスが一気に吹き出してくるような感覚のときがあるようです。でも、それもやがて静まってくるのですね。
セラピーの仕事で多くの人に会いながらも、それ以外ではほとんど人に会うことなく、心理的には長い間引きこもりのような状態のままでいたような気がします。
そんな自分が、最近、人にもっと会いたい、人に会うのが楽しい、と思い始めています。そんな思いが自分の中を流れているのに気づいたときは、かなり衝撃を感じました。自分がそんなことを思うなんて、と。
この気持ちの変化と、多くの人が私に会うのを楽しみにしているということは深くつながっているようです。
「本当の私」とはすべてをありのまま受け入れている(愛している)スペースそのものなのだから、人が私に会いたくなるのは当然なのかもしれません。
そして、それは私だけでなく、信じられないかもしれないけれど、あなたも同じなのです。
だから、最近、私は誰にあっても嬉しくなってニコニコしてしまうのでしょうね。
だって、あなた(=私=スペース、意識、気づき、空、神、愛、、)に会うということは、自分をありのまま受け入れてもらう体験そのものでもあるのだから。
そういう意味でも、人は互いに愛しあうように作られているのです。
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次の記事も参考にして下さい。
・
どうしたら悟れるか (2013/10/26)
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