地震のニュースを見ていると非常につらい気持ちになってきます。何か出来る事はないかと思っておられる方も多いのではないでしょうか。そんな方々のために、私がときどき個人的に行っている「トンレン」という技法をご紹介します。
「トンレン」とはチベット語で「与えることと受け取ること」を意味する言葉で、「自分と他者の立場を取り替える実践」と呼ばれることもあります。
具体的な方法はいろいろありますが、その基本は次のようなものです。
自分の内側のもっと深い部分、すべてのものとつながった広大な空間を意識します。自分も他の人たちも、すべての人たちが苦しみと無縁であるようにと祈りながら、苦しみのエネルギーをその広大な空間に吸い込むようにイメージしながら息を吸います。次に、その広大な空間からもっとも美しいものを送り出すようにイメージしながら息をはきます。
もしかしたら、他者の苦しみを吸い込む、ということ自体に抵抗を感じる方もおられるかもしれません。その場合は無理をしないようにして、できる範囲で行って下さい。
それでは、次の文章をゆっくりと読みながら、それぞれの言葉から浮かんでくる感覚をよく味わいながら、時間をかけてやってみましょう。なお、できれば、トンレンを始めるまえに
「私」とは誰かのエクササイズをやってみると自分の内側のもっとも深い部分に気づきやすくなるかもしれません。
まず、あなたの内側の一番深い部分にあるすべてのものと繋がっている部分を意識して下さい。
そんな部分は自分の中にはないよ、と思ってしまう方は、自分の内面に雲一つない真っ青な青空が広がっているのをイメージしてみましょう。意識、純粋意識、目撃者、光、空(くう)、スペース、神、仏陀、そんな言葉から広がるイメージでもかまいません。
次に、地震の被害を受けた方が感じている苦しみをイメージして下さい。愛する人を亡くした悲しみ、家や財産など大切なものを失った喪失感、不安や恐怖や憂鬱感、、、。
息を吸うとき、それらの苦しみが最初にイメージしたあなたの内側の一番深い部分まで届いているように想像します。
息を吐くとき、あなたの内側の一番深い部分から、すべての穏やかさ、自由、健康、暖かさ、光、もっとも良いものが癒しのエネルギーとなって苦しんでいる人たちに届いているのをイメージします。
同じことを、地震の被害を受けた一つの町全体をイメージしながら行います。さらに範囲を拡げて一つの県全体、そして、日本全体、世界全体をイメージしながら行ってみましょう。
この技法は意識に深い変容を起こす力を持っています。つまり、自分と他の人の境界がまぼろしであったことに気づき、すべてのものが一つであること、ワンネスに気づくきっかけにもなります。
もし必要を感じれば、あなたの身近な人や自分自身の苦しみについてもトンレンを行ってみて下さい。私は、セラピーを受けて下さる方をイメージしてトンレンをときどき行っています。すると不思議なことに、私自身も深く癒されていくの感じます。
「癒す」という言葉は「全体性を取り戻す」「すべてのものとの繋がりを取り戻す」ということを意味しているのだ、ということをあらためて実感する瞬間です。
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